頭の中の楽園

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The Long And Winding Roadの妙味

 

ビートルズの便宜上のラストアルバム「Let It Be」。

このアルバムは特殊な作品で、当初は「Get Back」というタイトルで発売される予定だったが、当時のメンバー間の仲は修復不可能な所まで来ておりセッションは空中分解、残骸だけが残り、それをかの天才フィル・スペクターが好き放題に再構築しリリースした経緯がある。

その為かビートルズメンバー(主にはポール・マッカートニー)の意向が重視されておらず、発売後30年以上経ってから「Let It Be Naked」なる本来のビートルズメンバー(主にポール)の意向に沿ったIfの作品がリリースされるなど、その特殊性は多くのファンを惹き付けている。

 

その中の有名なエピソードとして「The Long And Winding Road」のフィルスペクター流の荘厳なオーケストラアレンジにポールが激怒したという物がある。

 

私はポールの考えとは逆で、「Let It Be Naked」に収録されたバージョンは葬式の様で好きではなかった。フィルスペクターバージョンの方が管弦楽の音色が「別れ」をテーマにしたこの曲に合っている様な気がして。

 

ただ、久しぶりにNakedバージョンを聴き直して思ったんだよね。

ポールからしたらこの作品は「Yesterday」の系譜だったんじゃないかな?って。沁みる曲ってやつ。彼のソロ作品で多いやつ。

初めて聴いてから10何年経って初めて、ポールの意向が理解出来た気がする。

同時に、Nakedバージョンも好んで聴ける様になった。

 

何というか、歳を取ると色々な角度から物を見れる様になって楽しい。

 

あと、この曲は若い頃のポールにありがちな皮肉っぽい部分が歌詞にも現れてるからあんまりハッピーエンドのシーンとかで流すべき曲では無いんじゃないかな...?